こんにちは。管理栄養士のカワベヨシミです。

本日もお越しいただきありがとうございます。

最近の乳幼児の発達相談でとても多い質問は、

”食事の途中で立ち上がって遊び出した場合、その後、無理やりにでも食べさせるべきでしょうか?”

です。

どれくらい無理やりかにもよりますし

これは、なかなか返答に困る質問でもあります。

児童心理学を専門にされている先生であれば、乳児を導く手法があるのかもしれません。

相談を受ける側の職種や人によって、答えの内容が変わってくるだろうと思うのです。

このように、答えがあるようでないような質問を受けた時

私が一つ感じるのは、

お母さんやお父さんが、自信と余裕をもって行動をとれるならば

その方法が正解ではないかと思うのです。

じゃあ自信があればなんでも良いのかと、

少し誤解を招くかもしれませんが

私は多くの保護者の方々とお話ししてきて

お父さんお母さんが子育てに対して自信を持てることが

一番大切な土台だと感じてきました。

特に第一子の子育ては初めてのことばかり、、、

また、第二子が第一子の反応と全然違ったり、、、

情報が多すぎて、

悩み、不安を抱え、迷っているお母さんに出会います。

お化粧もそこそこに髪を結って、

お子さんを大事に抱っこして、相談をしに来院されます。

そんなお母さん方に、自信というお土産を持って帰って頂けるよう

『それで大丈夫』『こうすれば大丈夫』

と言える覚悟が、相談される側には必要であろうと思います。

そのためには学ぶことをやめるわけにはいきませんね。

少し話が逸れてしまいましたが、

冒頭の、

”食事の途中で立ち上がって遊び出してしまった場合、

その後、無理やりにでも食べさせるべきでしょうか?”

の質問に対して、管理栄養士として答えを求められた場合は

安全面

消化と自律神経の関係

の理由から

”ごちそうさまでいいと思いますよ”

とお話しします。

まずは①の安全面から考えると、

遊んでいて安定した座位をとっていない場合や、泣いてしまって呼吸が乱れている時などに

口の中に不意に食べ物が入ってきた場合、

食べる準備ができていないので誤嚥を招くリスクが高まります。

食べ物を嚥下する段階として

視覚、臭覚、触覚により食べ物を認識して口の中に入る前の準備(先行期)は

安全に食事を進めていく上で重要な段階となります。

大きくなってほしい親心や、せっかく作ったという気持ちから

先行期をなしに無理にお口に入れることは、避けたほうが安全といえます。

また、②の食事と自律神経の関係から考えても

無理やり食べさせることに利点はないだろうと考えます。(無理やり度合いにもよりますが)

以下のイラストは自律神経の交感神経と副交感神経の働きを表しています。

健康な場合の自律神経は、交感神経と副交感神経がバトンタッチして働いてくれるのですが、

食べたものは、副交感神経が優位の時、消化と吸収が活発に行われます。

もし、遊び出している場合や、泣き出してしまっている場合は、

おそらく交感神経が優位になっている時ですので、

無理やり体に入れても消化が抑制されてしまいます。

気持ちの上でもリラックスとは反対方向です。

食事は、安心してリラックスして食べることで栄養となるということですので

無理やり食べさせることよりも

リラックスして食事に集中できる環境づくりを整えていくことにシフトした方が良いと思います。

例えば生活リズムや、椅子や机の環境、おやつのあげ方に原因があるようであれば、

そこからの改善を提案します。

遊びたべは多くの保護者さんが悩んでいることですので、

年齢的な発達段階という一面もあるでしょう。

必ず、『ごちそうさま』をして

これで食事は終わりという習慣を根気強く作ってあげることも

メリハリを持って生活ができるようになるのではと思います。

臨床心理士の室田洋子先生の著書

『心を育てる食卓』や『癒しの食卓』は

私の、栄養方面に偏りがちな思考を緩めてくださり

私の大事な参考書となっています。

投稿者 ヨシミ

歯科で働く小児栄養分野管理栄養士。 オーソモレキュラー栄養療法を学び、歯科での栄養教育を主な活動としています。

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