こんにちは。管理栄養士のカワベヨシミです。
本日もお越しくださりありがとうございます。
この写真は、40年前くらい前の小学校6年生の私。走ることが大好きだった頃です。 笑
先日、参加させていただいた小児栄養研究会で、
神奈川県立保健福祉大学の鈴木志保子先生の講演がありました。
鈴木先生は、座長から”栄養士会ではカリスマ的存在”と紹介されましたが
スポーツ栄養学を専門とされていて、
まさに多くの栄養士が目標にしている先生だと思います。
今回の講義の内容は、
中学生用食育教材から「これからの食育」を考える
でした。
文部科学省では、2021年3月に中学生用食育教材を改訂したそうです。
従来の食育は、「バランスよく食べる」ということが中心になっていましたが、
今回の教材の改訂では、
できるだけ”バランスよく”という言葉を使わないようにして
「なぜ食べなくてはいけないのか」の理解を中学生に促している構成だそうです。
まさに今の栄養学は時代とともに変化しているなと感じます。
生きることは化学反応の連続で、
この化学反応を維持する仕組みを子どもたちに伝えていこうというお話でした。
少し話題は変わりますが、
以前私は、20代の歯科医師の先生に素朴な質問を受けたことがありました。
『カワベさん。栄養完全食ってあるじゃないですか?
僕は、旬なものを料理して食べることは大好きなんですけど、
実際に栄養のことだけ考えたら完全食の方がいいんですかね?』。。。
確かに、栄養計算の数値評価だけをみたら完全食の結果の方がいいのではないかと思います。
じゃあ、子どもたちのご飯をみんな完全飯にしたらいいのかというと、
難しいですね。
完全飯にはないもので、旬のものを料理して食べる良さとは何かな?と思うと
やはり命をいただいているということかなと思います。
そこには、季節や自然だったり、人も感じるし、香りとか温度とかも浮かんできますよね。
栄養についてはまだまだ謎ばかりですが、
その食べ物によって自分の身体がどんな答えを出してくるか?
が、真の答えだと思うのです。それは、心も含めてかなと思います。
不調の影には、食べ物や栄養の問題があるかもしれない。
現代は完全飯を食べていれば身体の化学反応はうまく回るのか?ということも、一つの課題。
中学生には質問されそうなことです。
そして難しいのが、栄養の結果はすぐにわかりやすく現れないこと。
私の実体験ですが、バランスが乱れた栄養は少し先の未来に症状となって現れます。
私は、小さい頃から肉や卵が嫌いで食べてこなかった結果が、
高校生の時に症状として現れました。
氷をガリガリ食べて、いつも疲れている。
中学生まではバスケであんなに走れていた体が急に動かない。
走れば顔面蒼白の息切れ。。。
栄養学を学んだ今はわかりますが、完全な鉄欠乏だったと思います。
子どもたちが、本当に栄養の需要が高まるタイミングは、
スポーツを始めたり、月経が始まったり、身長のスパート時、将来の妊娠授乳、ストレス時など、
個人差があるかと思いますが
その時を迎えうつための栄養の土台づくりは
皆、今日の一食だと思っていいと思います。